「医龍」をみて考えた情報開示とインフォームドコンセント
ドラマ「医龍」でみる情報開示とインフォームドコンセントの日米比較
皆様、こんにちは。
マダム・ホーの一番弟子のフィフィです。
またまた、ドラマ「医龍」のお話で申し訳ありませんが、それぐらいこの春のテレビシリーズではマダム達の「マイブーム」だったと同時に、いろいろと考えさせられることがありました。
今日は情報開示とインフォームドコンセントの日米比較についてお話させていただきます。
最終回とその前のストーリーを見ていた時に、霧島医師が坂口憲二さん扮する朝田の邪魔をしようとして、患者の動脈瘤のカルテを隠していたシーンがありました。それを見て、ムッシューが何度も「こんなことは違法だ! 犯罪だ!」わめいていました。
医龍(10)
「医龍」の原作が何年前に書かれたかわからないのですが、今のアメリカに住むムッシューにとって、自分の子供に動脈瘤があることを親が知らないとか、ライバル医師がそのカルテを隠すことは考えられないからです。
最近、日本でも「ガン告知」が広まっていますが、個人主義のアメリカでは、家族より患者に直接、病名や余命まで伝えてしまいます。
また、インフォームドコンセントも1980年代から普及していますので、アメリカの病院で検査や治療を受ける日本人に付き添う場合は、どこまで告知されても事実を受け止める心の準備ができているか、精神的にどこまで大丈夫か等について、患者や家族と事前に打ち合わせをする必要があるとマダムは切実に感じています。
それなのでマダムの母親がアメリカの病院で最後を過ごした時には、マダムは病院内の日本語通訳さんにも、このあたりの配慮をお願いしました。
色々なご意見があると思いますが、マダムが考える「優れた通訳者」とは、単にネイティブのような発音ができるバイリンガルではなく、日米の文化差を理解するバイカルチャラルでなければならないというのがマダムの持論であり、そのことを1980年代に日本のある学会でお話した時にも、外国の医療を日本へ導入する時にはスキルだけでなく日本の文化に適応するかどうかを考える事が大切だと言ったそうです。
そこで、この写真をご覧いただきたいのですが、この家の屋根にある旗は何だとお思いでしょうか?
「カラス退治?」
「ホーム・パーティーの飾り?」
「屋根を修理したので、瓦が落ち着くまでこうしている?」
マダム達も毎朝、窓からこの景色を見て、そう思っていました。
ところが、市役所からの手紙を見て、なぞが解けたのです。
実は、この家の持ち主が2階建てにしたいと建設許可を申請中で、周辺住民への説明会を開くために、これをしているのです。
アメリカ人は家の不動産価値に、ものすごく気を使います。
「海が見えるか、見えないか」で家の価格が大きく変わるからです。
それで、もしこの家が2階建てになった場合、ご近所さんから「海が見えなくなって、我が家の価値が下がった! 許可を出した市の責任だ!」と苦情が来ないように、事前にこうして「このぐらいの高さになりますが、大丈夫ですか?」ということをするのです。
この写真の濃い青色が海ですので、マダムの家から見える海の景色には影響がないことがわかります。
これが、アメリカ式の生活に密着した情報開示です。
追伸。昨年、アメリカで社会問題化した脳死患者のケースにより、「リビングトラスト」といって、「もし、あなたが脳死状態になった時、延命措置を望みますか?または、生命維持装置をはずすことを望みますか?」という用紙に、入院時にサインする病院が増えています。
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